変動金利と固定金利どちらがいいのか?

こんにちは。starhomeの野上です。

住宅ローンを検討する際、「住宅ローンの金利は、固定金利と変動金利どちらがよいのか」「住宅ローンの固定金利と変動金利にはどのようなメリット・デメリットがあるのか」など疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?住宅ローンの借入額は数千万円と非常に多く、金利によって返済額も大幅に変わってしまうため、よく理解してから選択していきたいですよね。

 

住宅ローンにおける固定金利と変動金利の違い

住宅ローンの金利には、主に「固定金利」と「変動金利」の2つに分けられます。

さらに固定金利の中には、「固定金利期間選択型」と「全期間固定型」の2種類があります。

  • 固定金利…一定期間または完済までずっと金利が変わらないタイプ
  • 変動金利…銀行の短期プライムレートによって金利が変動するタイプ

固定金利は、決められた期間に関しては、市場金利の動きに関わらず金利が変わらないタイプです。その中でも、一定の期間だけ金利が固定される固定金利期間選択型と、住宅ローンの全期間、金利が固定の全期間固定金利型の2種類に分かれます。一方の変動金利は、市場金利の動向によって金利が変動するタイプです。

 

固定金利期間選択型の特徴

固定金利期間選択型とは、借入する方が選択した期間中は、金利が固定されるタイプの住宅ローンです。2年、3年、5年、7年、10年、15年など、借入当初の固定金利期間を選択することができるのが特徴です。一般的に、固定金利の期間が長いほど金利は高いです。

たとえば、借入時に「3年」の固定金利期間を選択したとします。その場合、3年間は金利が変わりません。固定金利期間が終了した4年目からは、変動金利型となるのが一般的ですが、再び固定金利期間選択型を選ぶこともできます。

1,固定金利期間選択型のメリット

  • 一定期間金利を固定できる
  • 一定期間金利上昇リスクを避けられる
  • 全期間固定金利型と比較して金利が低い

2,固定金利期間選択型のデメリット

  • 全期間の金利の固定ができないため、総返済額を確定できない
  • 固定金利期間終了後の変動金利に対して「5年ルール」「125%ルール」が適用されない
  • 固定金利期間が終了した後、再度固定金利期間選択型を選択した場合、手数料がかかるケースがある

 

全期間固定金利型の特徴

全期間固定金利型は、ローンの完済までずっと同じ金利の住宅ローンです。全期間返済額が一定なので、将来設計が立てやすいという特徴があります。

総返済額を借り入れ時に確定できるのも、全期間固定金利型ならではの特徴です。シンプルでわかりやすいですが、金利に関しては、固定金利期間選択型や変動金利型に比べて最も高い傾向にあります。

1,全期間固定金利型のメリット

  • 契約時点で全期間の返済額が確定できる
  • ライフプランが立てやすい
  • 金利上昇のリスクヘッジができる

全期間固定金利型は、契約時点で全期間の返済額が確定します。したがって、長期にわたってのライフプランが立てやすいといった点はメリットといえるでしょう。また、ローンを借りている間に金利が上昇したとしても影響はありません。金利上昇のリスクヘッジができるのも、全期間固定金利型ならではのメリットです。

2,全期間固定金利型のデメリット

  • 変動金利型や固定金利期間選択型に比べて金利が高い
  • 市場金利が下がった場合、不利になる

全期間固定金利型は、変動金利型や固定金利期間選択型の住宅ローンに比べて金利が高い傾向にあります。また、完済時まで金利が変わらないということは、金利が下落した場合にも、返済額は下がらないということです。一時的に市場金利が上がった場合は全期間固定金利型のメリットは大きいですが、逆に市場金利が下がった場合は不利になってしまいます。

3,全期間固定金利型に向いている人

子育て世代のように、教育費や子育て費用など長期にわたってかかる見通しのある方や、金利上昇に関わらず返済額が安定してほしい人には、全期間固定金利型がおすすめです。

全期間固定金利型は返済額がずっと変わらないため、生活費や税金などほかの支出と併せて長期にわたり計画的な返済をしたい人に向いています。金利が上昇するリスクに振り回されたくない方も、全期間固定金利型を選ぶとよいでしょう。変動金利型の場合は短期プライムレートと連動し金利が上下するため、それらの市場動向を適宜チェックするのが苦手な人にも、全期間固定金利型がおすすめです。

変動金利型の場合は、金利が上昇した際の返済額も高額になってしまいます。そのため、収入に対して借入比率が高い人の場合は、安定した返済をおこなっていくためにも、全期間固定金利にしておいたほうがよいでしょう。

 

変動金利型の特徴

変動金利型は、住宅ローン借入期間中の金利が、市場金利に伴って変動する住宅ローンです。

一般的に、短期プライムレートと呼ばれる基準金利に連動し、半年に一度、適用金利の見直しがおこなわれます。

市場金利の変動に応じて返済額が上下するのが特徴ですが、住宅ローンの一般的な返済方法である元利均等返済の場合、通常5年ごとに返済金額は見直されます。

元利均等返済は、毎月の返済額が一定になるよう計算されたものです。

借入した金額に対し発生する利息を合わせ、均等に返済していきます。返済が進むほど利息は減り、元金の返済額は増えていく仕組みです。

なお、もう一方の元金均等返済は、元金の返済のみがずっと均等であり、返済が進み住宅ローン残高が減るほど利息額も減っていく仕組みとなっています。

1,変動金利型のメリット

  • 金利が固定金利に比べて低い
  • 現在は過去最低の金利水準

変動金利は、固定金利に比べて金利が低く設定されているのが一般的です。

住宅ローンの借り入れ金額は一般的に高額になるため、1%程度の金利の違いでも返済総額は大きく変わります。

市場金利が下落したら返済額も下がる変動金利の場合、結果的に総返済額が済むことも珍しくありません。昨今のように、日銀のマイナス金利政策の影響により過去最低の低金利水準が続いているような状況では、有利に働きます。

また、変動金利型には支払額の激変緩和措置が設けられているため、金利が上昇したからといってすぐに返済額も上昇するわけではありません。

2,変動金利型のデメリット

  • 当初借入時に総返済額の確定ができない
  • ライフプランを策定しにくい
  • 市場金利が上昇すると、返済総額が上昇してしまう

変動金利型は金利が上下するごとに返済総額が変わるため、借り入れ時に総返済額が確定できません。将来どのようなタイミングで金利が上昇するのかは予測がつかず、長期的な資金計画・返済計画が立てにくくなります。毎月の返済額も変わってくるため、ライフプランを策定しづらいのもデメリットとなるでしょう。

先述したように、「5年ルール」「125%ルール」があるため、毎月の返済額が大幅に変わることはないものの、返済額のうち利息の占める割合が増加するため元金の返済が進まなくなる可能性もあります。

3,変動金利型に向いている人

変動金利型は、市場の金利に連動して金利が上下するため、金利動向をこまめに追える人にとってはメリットが大きいといえるでしょう。金利上昇局面で固定金利型に変更するなど、柔軟な対応も考えられます。

経済的余裕のある人も、変動金利型に向いています。もし金利が上昇したとしても、返済に余裕があれば、問題なく返済ができる可能性が高いためです。また、経済的な余裕がある場合、繰り上げ返済を積極的におこない返済期間を短くすることも可能です。金利の低い変動金利型なら元本が減るのも早くなり、ローン残高を減らしやすくなります。

ここ数年は低金利水準が続いており、変動金利型による住宅ローンの総返済額は固定金利型に比べて少ない傾向となっています。将来の金利動向を予測することはできませんが、現状の低金利で借り入れをしたい方にとってもメリットとなるでしょう。

 

金利タイプを選ぶ際のポイント

先述したように、住宅ローンの金利には、固定金利型(固定金利期間選択型と全期間固定金利型)と変動金利型があります。ここでは、金利タイプを選ぶ際のポイントについて解説します。主なポイントは、以下の3つです。

  • ライフプランに合わせて選ぶ
  • 固定金利型と変動金利型のメリット・デメリットをしっかりと理解する
  • 金利タイプごとに総返済額シミュレーションをしてみる

 

固定金利型と変動金利型はどちらがお得?

結論として、どちらにもそれぞれメリット・デメリットがあるため、どちらがよりお得かというのは一概にはいえません。

現在の金利水準から見ると、変動金利のほうが固定金利よりかなり金利が低いため、変動金利に魅力を感じる方が多いかもしれませんが、将来的に金利が上昇した場合に変動金利は負担が生じてしまう可能性も否めません。固定金利は返済金額が確定するため安定感はありますが、その分変動金利より金利が高い傾向にあります。

このように固定金利型・変動金利型には一長一短があり、住宅ローンの返済は長期にわたるため、現在の状況からどちらがお得か判断するのは難しいでしょう。

ライフプランや考え方によって、選ぶ金利も変わってきます。

 

近年で変動金利が選ばれている理由

近年、変動金利が圧倒的に選ばれている理由としては、日本で長らく超低金利が続いていることが挙げられます。さらに新型コロナウイルスの影響によって、日本銀行が金融緩和強化策を講じているのも原因の1つといえるでしょう。

金融緩和をおこなうと、市場金利は低下します。それに伴い、住宅ローンの金利も低下するのです。景気の見通しがよいとはいえない現状では、日銀の金融緩和はこの先も継続することが見込まれます。直近で金利が上昇する可能性は低いと考えている人も多いのでしょう。

このような理由から、借入当初の金利が低く、また市場の動向に合わせて金利が変動する変動金利型が多く選ばれていると考えられます。

 

住宅ローンの借り換えもできる!

金利や返済額を抑えるために、住宅ローンの借り換えをおこなうことも可能です。

住宅ローン契約時よりも現在の金利のほうが低いといったケースは多く、借り換えを検討している人もいるでしょう。住宅ローンの借り換えでメリットが出る主なケースは、3つあります。

  • 借り換え後の金利差が1%以上ある場合
  • 住宅ローンの残債が1,000万円以上ある場合
  • 残りの借入期間が10年以上ある場合

 

【変動金利から固定金利への借り換え】

メリット…安定的な返済計画ができるようになる。

デメリット…金利負担が大きくなってしまう可能性がある。(現状では高い)

注意点…全期間固定金利型へのタイプ変更はできない金融機関が多い。他行への借り換えに際しては新たに手数料・諸費用がかかる。

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