「耐震等級3相当」は大丈夫なのか?

こんにちは。starhomeの野上です。

家を買うとき、特に地震の多い日本において「耐震性能」は極めて重要な検討ポイントです。その中でも「耐震等級3」という表現は、「最も地震に強い家」として多くの広告や営業トークで登場します。しかし、実はその裏に隠れた“落とし穴”があることをご存じでしょうか?

それが今回のテーマである 「耐震等級3相当」という表現です。この“相当”という言葉には法律的な根拠がなく、評価機関による正式な認定を受けていないケースが大半です。たとえば、「耐震等級3相当」と書かれていたとしても、実際には国の評価書が存在しない、つまり客観的に証明できない“主張だけの耐震性能”である可能性があります。

 

自己申告だけの危うさ

営業トークにおいて「耐震等級3相当です」と言われた場合でも、評価機関による確認がなければ、設計通りに施工されたという証拠はありません。トラブルの種になり得ます。

たとえば、以下のようなリスクがあります:

  • 売主の記憶違いや誤認による誤表示
  • そもそも評価書自体が存在していない
  • 地震時に被害を受ける可能性があります
  • 地震保険料の割引やフラット35の金利優遇といったメリットも受けられません。

 

評価書がなければ「等級」ではない

繰り返しになりますが、正式な「耐震等級」は国に登録された第三者機関による評価書がある場合のみ名乗ることができます。「相当」と記されている限り、それは主張に過ぎず、評価の裏付けがない限り“嘘”と紙一重です。

 

耐震等級3のメリット

耐震等級3の住宅は、「安心感」だけでなく、経済的なメリットが非常に大きいのも特徴です。

  • 地震保険料の大幅割引(約50%割引)・・・年間保険料で見ると、数万円単位で差がつくこともあるため、長期的に見れば大きな節約になります。ただし、正式な評価書がなければ割引は適用されません。
  • 資産価値の維持・向上・・・将来的に売却を考えたときにも、耐震等級3の評価書がある住宅は資産価値が高くなります。買主が最も重視するのは「安全性と証拠」です。評価書という裏付けがあるだけで、購入者の安心感が格段に違います。

 

よくある文例とそのリスク

不動産広告に見られる、あいまいな表現の例を見てみましょう:

  • 「耐震等級3相当の設計」
  • 「耐震等級3仕様」
  • 「等級3レベルの強度」
  • 「ビルダーが等級3相当と評価」

こうした文言には「第三者機関の認定を受けた」という裏付けが一切ありません。つまり、その家が本当に等級3の性能を持っているかどうかは不明です。

このような表現が悪質というよりも、建築会社が制度を十分に理解していないまま、実態よりも良く見せようとしている可能性があるのです。

 

見極めポイントは「書類」

最終的に信頼すべきは、以下のような書面の有無です。

  • 建設住宅性能評価書(施工時に発行)
  • 設計住宅性能評価書(設計段階)+建設評価の記載あり
  • フラット35S適用証明書(技術基準適合確認)

これらがそろっていれば、本当に「等級3」と名乗れる住宅です。逆に、どれも出てこないようであれば、それは“相当”どまりであると判断すべきです。

本当に安心できる家を選ぶには、「見た目」や「説明」ではなく、制度に基づいた証拠=評価書の実物が不可欠です。

「相当」という言葉の裏には、制度の不徹底や営業トークの都合が隠れていることもあるため、評価書がない限りは“耐震等級3ではない”という前提で検討すべきです。

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